2021/01/29 13:42

精油の品質管理基準

HECT(Huiles Essentielles Chémo Typées)ケモタイプが定義された精油です。

Huiles essentielles=​フランス語でエッセンシャルオイルのことを指し、今日のアロマテラピーの世界ではこのHECTかHEBBD(R)が主な精油の品質管理基準となっており、この二つはほぼ同じ基準を用いています。海外でも多くの精油販売店やアロマセラピストが、「良い精油を選びたければHECTかHEBBD(R)基準で作られた精油を​」と伝えています。


HECT(Huiles Essentielles Chémo Typées)

ケモタイプが定義された精油

HECT

Huiles essentielles=​フランス語でエッセンシャルオイルのことを指し、今日のアロマテラピーの世界ではこのHECTかHEBBD(R)が主な精油の品質管理基準となっており、この二つは完全に同じではないもののほぼ同じ基準を用いています。海外でも多くの精油販売店やアロマセラピストが、「良い精油を選びたければHECTかHEBBD(R)基準で作られた精油を​」と伝えています。

 

 HECTによる品質管理基準

植物学的に以下の通りであることを管理されています。

◎植物の品種が明確

◎植物の蒸留部位が明確

◎植物の生育段階が明確

◎高品質の低圧水蒸気蒸留法で抽出

◎100%天然

◎ロットごとの成分分析により特性成分が明確(ケモタイプが定義)

◎一切の合成がない(屈折率や比重、旋光度テストその他のテストで確認)

◎100%純粋(成分カットなし、酸化していない、不脱脂)

◎着色や脱色がされていない

◎製造場所、蒸留年月日(あるいは使用期限)が明確

 

 

 

ケモタイプ(化学種)とは?

 ー精油業界で使用される2つの意味についてー

まずは、生物の学名についてみていきましょう。

生物の呼び方は、同じ種であっても国や地域で異なる為、世界共通の二命名法で、ラテン語で学名がつけられています。まず「属名」その後に「種小名」が列記されています。

例えばユーカリだと以下のように表記されます。

例)一般名: ユーカリ・ラディアタ

→属名 : Eucalyptus  種小名 : radiata​

 

例)一般名: ユーカリ・グローブルス

→属名 : Eucalyptus  種小名 : globulus

 

同じユーカリ属であっても、ユーカリ・ラディアタとユーカリ・グローブルスは成分構成や香りが違い、効能も同じではありません。ユーカリ・ラディアタ精油はすっきりとした香りですが、ユーカリ・グローブルス精油はユーカリ・ラディアタ精油に比べて重みのある香りです。

 

その為、精油を購入する際には種小名も確認して購入する必要があります

ケモタイプ その①ー生育要件により成分が異なる精油ー

エッセンシャルオイルの持つ芳香成分とは、植物が生存力を高めるために、気温や気圧、降雨量、虫害など、様々な周囲の環境に適応しようと植物内で化学合成した成分です。

植物の種類ごとに合成される成分はほぼ決まっているものの、原料植物の生育要件(日照、気候、土壌組成、標高など)はそのエッセンシャルオイルの生化学的組成(成分)に影響を与え、植物学的には同じ植物に分類されている精油でも芳香成分の含有量が違います。その為、GCMS分析によって成分を確認し、エッセンシャルオイルの持つ特性成分を確認する必要があります。

 

精油芳香成分の違いが生じるのは?

・品種

​・生育要件(気候、標高、日照時間、気温)

・生育段階(開花時、成熟、結実時など)

・抽出部位(開花時地上部、葉、根茎、実付枝など)

​​・収穫時期(ローズは午前中のみ)

・抽出方法(水蒸気蒸留法、圧搾法など)

・水蒸気蒸留法時の蒸留窯のタイプ

・蒸留時の温度や圧力、蒸留にかける時間

などの理由によるものとされます。

 

ローズマリーは150種存在する

ローズマリーケモタイプとは  

二名法ではローズマリーをRosmarinus officinalisと表記しますが、ローズマリーには150種もの品種が存在します。アロマセラピーではその品種のうち3つ(ベルべノンタイプ、シネオールタイプ、カンファータイプ)が使用されます。それらはすべて肝臓に有益ですが、その化学型によると治療的特異性があることが知られています。
 

・コルシカ産Rosmarinus officinalis:ベルべノンが特徴成分で肝臓に良い

・モロッコ産Rosmarinus officinalis:1,8シネオールが特徴成分で呼吸器に良い

・カンファータイプのRosmarinus officinalis:筋弛緩効果があるが刺激が強い

といったように、植物学的に同種の植物で二名法でも同一名であるにもかかわらず、育った環境の違いによって著しく成分構成の異なるものを本来の意味でのケモタイプ(Chemotypes、化学種)と呼びます。

 

タイム(タイム・チモールやタイム・リナロール)は両方が二名法において「Thymus vulgaris」と同じなのでケモタイプですが、ユーカリ(ユーカリラディアタ、ユーカリグローブルス)などは種小名が違いますので、ケモタイプ精油には挙げられません。

 

ケモタイプ その②ー成分分析がされた精油ー

アロマテラピー業界では、成分分析を行い、含有する成分が明確にされたエッセンシャルオイルのことをケモタイプ精油と呼んでいます。

​その中でも特に、生育要件をはっきりさせた品質管理を行っている精油に対してHECTマークを付けています。HECTは特定の認証機関が世界各地にあるわけではないため、試験や調査を経て認証を受けるものではなく、それぞれのメーカーがその責任と正直さ誠実さによって付けています。

 

たしかなものをぜひお側においていただきたいです。

 

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